その32 三角足半のすばらしい構造

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精巧で芸術的な多くの作品がある。
しかし、日本人にとってはあくまでも
日用品であるにすぎない。

テオドール・デュレ・美術評論家

【信長タイプ】と勝手に呼んでいますが、ようは横幅も草鞋や草履と同じく10cmぐらいで、先端に丸みがあります。
普通の草履の形で、長さだけが短いタイプのことです。

1936年発表の論文『所謂足半に就いて』では、全国から287点の足半を集め、構造や結び方の分析を行っている貴重な資料です。

中には19cmというモノもあります。踵のみが出るタイプですね。
上野の西郷隆盛像が履いているのはこちらです。

モニターの方に送ったのは、幅9cm長さ13cmの【信長タイプ】です。
女性用は若干三角です。

【鵜匠タイプ】というのは、現在、鵜匠の方が使われているモノです。

10cm×10cmとかなり小さい、おにぎり型の三角型をしています。

『所謂足半に就いて』にも13cmの先がややとがり気味のモノがあります。

ちなみにレントゲンまで撮って、芯縄の構造まで調べています(笑)


どうしても気になっていたのが
『なぜ、三角なのか?』
という点。

これは鵜匠の方に本物の足半を譲っていただいて、やっと気がつきました。

【足半は回転する】

長い下駄や草履などの踵がつく履物、左右で形のちがうビーチサンダルを履いていては、気がつかなかった発見です。

鼻緒(壺)が真ん中にあって、長さが短いと、このような回転が起こります。

これがどの資料にも書いてないことなので、復元にあたって苦労しましたが、論より証拠。作ってみて、試してみて、気がつきました。

足半サイコー。こんな道具が日用品だったなんて、やっぱスゴイわ。

鵜匠の足半を履いた様子。

『なぜ、三角なのか?』は、この回転のことを考えて、よりつかみやすく、また足のアーチの前の2点を支える仕組みになっているのです。
表もスゴイ。

鼻緒が足趾節関節(MP関節)の上に行くことで、屈曲をサポートします。

先方にうまく伝えられなくて、鼻緒の長さがキツイのですが(笑)

子ども用みたいな長さにされちゃいました・・・ここは製品化の時に改善しますが、逆にこれがいいかもです。

外反母趾の矯正ソックスなどは、中足骨を締めます。
これはいい。

短くしたことで、足裏のツボ・足心ではなく、湧泉が刺激されます。


左から、10cm・13cm・16cm

さて、どれから世に出そうか?

どれも足半なんです(笑)

まずは足を変えるのが目的なので、【鵜匠タイプ】でしょうね!

商品化も初ですし(笑)

月末に最終打ち合わせで、製作を依頼している会社に行ってきます。
場所は東北(笑)

鼻緒は女性用の試作も兼ねているので、かわいいですが、男性用も出しますので(笑)

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