> 先日ハワイに行きましたが、JALのCAはほとんどが東南アジア系の女性。
> ハワイの観光客も台湾や中国系の人達がかなり多くいました。
> そんな中、日本人を見つけるのは簡単。
> それは日本人だけが内股で歩いているから(笑)
> アメリカ人や台湾、中国人で内股で歩いている人はいませんでした。
>
> なぜですかね?
> 足半ブログの記事に取り上げていただければ嬉しいです。
記事内容のリクエストをいただいたので、わたしなりの考察を書きます(笑)
書こうかと思っていた内容でもあるので、全然OKですが。
最近の着物雑誌や呉服屋のホームページにも、
「着物や浴衣を着るときは、足のつま先を内側へ向けて、内股ですり足で歩きましょう」
と書いてあります。
【爪先からやや内股にすり足ぎみに歩きましょう。また、歩幅は10cmくらいを目安に、ひざの間が開かないように気を付けて歩きます。】
http://allabout.co.jp/gm/gc/46530/
【ウォーキングの専門家】も仰っていますね。
そもそも着物は、日本の民族衣装であり、すべての日本人が着ていた【普段着】です。
女性が内股・すり足で、1日30〜40kmを歩き、家事や育児をしていたのでしょうか?
↓昔ってこんな感じ? というイメージがありますが・・・
長崎大学附属図書館所蔵の「幕末・明治期日本古写真コレクション」を調べてみるとおもしろい写真がありました。
だいたい200年ぐらい前の日本。
水くみをする女性たち。
こちらはGoogleで探した、大正時代ぐらいの写真。
どうですか?
着物というと、振り袖などの豪華で高価というイメージがありますが、【普段着の着物】は柄も帯もシンプル、足も内股ではありませんよね。
これが普段着としての姿です。
男性も女性も子どもも、みんなが身体を使って仕事をしていた時代です。窮屈な幅の広い帯で仕事ができるわけないのです。
だいたい昭和50年ぐらいあたりから、ほぼ洋服に切り替わったといわれています。サザエさんのフネさんも着物でしたよね(サザエさんの原作は昭和21年〜昭和49年に連載されていた)。
【普段着の着物】は消え、【特別な日に着る物】が残った、というわけです。
また、映画を発明したリュミエール兄弟は、世界各地にカメラマンを派遣し、映像を記録していきました。明治30年から明治32年ぐらいの日本の映像が、東京国立近代美術館フィルムセンターに残っています。
それがこちら。
着物の裾をみてください。ラッパのように広がっているのがわかりますよね。
自分からみて、逆ハの字で、それも大股で歩いていたそうです。
移動の手段が、徒歩がメインだった時代。
内股でしゃなりしゃなり、なんてちんたら歩いていたら日が暮れます(笑)
こちらのブログもおもしろい。
外国人からみても、日本人女性の内股歩きは不思議に思うのでしょうね。
アジア圏でも、正座と並んで、日本特有という感じがします。
例えば、韓国と日本の「八の字」歩きのちがい。
韓国で「八の字」歩きというのは、相手からみて「八の字」。日本では、がに股といわれ、敬遠されているアレです(笑)
日本では「内八文字(うちはちもんじ)」(地域によっては外八文字・吉原の「外八文字」、嶋原の「内八文字」といわれていた)という歩き方がありますが、これは自分からみて「八の字」。いわゆる内股です。
「内八文字」歩きは、元々遊女や芸者など、【特別な日に着る物】を着て商売をしていた方々の歩き方です。
ちなみに、「内八文字」は3年ほどかけて習得する「特別な歩き方」だったそうです。