『足半が脱げてしまうので、鼻緒をキツメにしてもらえませんか?』
そんな質問を多く受けたので、改めて草履とサンダルの履き方のちがいを紹介しますね。
夏は浴衣に下駄、雪駄を履いたりする機会も増えますが、履き方は同じです。
草履とサンダルの鼻緒は役目が違うんです
下駄、草履、雪駄という日本古来の履物。
エジプトを起源とするサンダル。
構造が似ているため、多くの人がその履き方に違いがあることをご存じないようです。
こちらはエジプトが起源とされるサンダルです。
鼻緒は足に密着させるモノとして機能しています。
鼻緒というよりも留め具みたいな感じですよね。
鼻緒の前壺に指の股が触れるまで深く入れます。
前壺(鼻緒の縦の部分)の位置が内側にあって、左右がわかれているのも特徴です。
日本ではワラジが似たような感じです。
ワラジの場合、前壺は真ん中にあるので、左右はわかれていません。
草履とサンダルは履き方が違うんです
一方、下駄、草履、雪駄は日本古来の履物は前壺が真ん中にあって、左右はわかれていません。
親指と人差し指で、鼻緒の縦の部分(前壺といいます)をわずかにつまんで履くのです。
鼻緒の前壺(親指と人差し指の間にくる部分)に指の股が触れるまで深く入れない。
鼻緒を指でつまむ感じで軽く引っ掛ける。
鼻緒と指の間に、手の小指が1本入るくらいの隙間をあけて履く。
足半以外の草履や下駄の場合、踵はわずかにはみ出す。
こうすることで脱げることなく、指の股がすれることもなく、足のアーチも出来る足へと生まれ変わります。
ということで、鼻緒はぴっちりキツメではなく、少しゆるいぐらいがちょうどいいのです。
新品の足半は鼻緒がキツメに作ってありますが、使っていくうちにゆるんできます。
もし、キツい場合は下記の動画方法で鼻緒を伸ばして、調整してみてください。
足半も同じです。
こちらに鼻緒の調整と履き方がうまくまとまっています。
参考にして履きこなしてみてくださいね。
ビーサンは?
1952年(昭和27年)にアメリカ人のレイ・パスティンと内外ゴムの技術者生田庄太郎によって開発されたのが最初のビーサンといわれています。
ビーサンも左右がわかれて、サンダルみたいに鼻緒の前壺に指の股が触れるまで深く入れてしまいますよね。
左右はあるんだけど、日本古来の履物のように、鼻緒を指でつまむ感じで履くのは同じなんです。